2012年1月10日火曜日

googleユーポート

学祭かなにかの出し物を見るために講堂のようなところに集まっていく。
椅子は映画館のように折り畳み式のふかふか椅子、席は緩やかに傾斜しており後ろの席までしっかり舞台が見える。

私は一番前の席に座り、隣の席の人と、一番よく使うgoogleサービスは何か、話を弾ませている。

私がgoogleマップが一番だと声高に説いていると、斜め後ろの席から
「googleユーポートが便利ですよ。」
という声が聞こえた。
振り返ると、後輩の女子が控えめに微笑んでいた。
「googleユーポート?」
私は「ってなに?」というより、「なんて使う?」というニュアンスで聞き返した。
ようするに知ったかぶろうとしたわけだが、後輩の女子は普通に説明した。
「googleユーポートっていうのは、google体内検索のことですよ。病気とか、見つけてくれるあれです。」
私の隣に座っていた子が、その説明を受けて
「あー、あれね。」
とうなずいた。あれ、便利だよね、見たいな顔して笑っている。
私はそんなgoogleのサービス知らなかったので面白くなくて、
「え、そんなの使う?」
みたいな感じで反論した。
後輩の女子は私の敵意には気づかない様子で続ける。
「結構便利ですよ。この前も、私目から体内に虫が入っちゃったんですけど、googleユーポートですぐ見つかりました。」
後輩の女子の話を聞いて、確かに便利そう…と思ったものの、やはりそう認めるのは悔しいので、
「私、健康とか興味ないし。」
と、捨て台詞を吐いてその場を立ち去った。

端の席に座りなおすと、隣に部長が座っていて、
「あれ、一列目の人は健康診断受けるんだよ。受けるの?」
と尋ねてきた。
私はむっとしながら
「受けません」
と言って、一番後ろの席に移動することにした。

出し物が始まった。
一番最初の男子ボーカルユニットは非常に好評で、会場が熱気に包まれた。
二番手は男女混合ダンスボーカルチームだったけど、いまいち盛り上がらなくてどんどん人が席を立った。
私はなんだかかわいそうに思って、退屈でも座り続けたけど、彼らは人力でフェードアウトしていき、いつの間にかどこかへ行ってしまった。

開場を見渡すと、もう、私と私の友達以外誰もいなくなっていた。

0 件のコメント:

コメントを投稿