娘は召使いだった。
ご主人さまは王宮のお妃さま。
彼女の身の回りの世話をする。
ある時娘はお妃さまの浮気を知ってしまった。
恐ろしいので黙っていた。
浮気の手引きをしているらしい下男は鋭い目をした青年だった。
彼のような美しい青年が、背徳の手引きをしていると思うと、娘の胸が痛んだ。
ついに浮気がばれた。
しかしお妃さまはうまく立ち回り、すべての罪は娘になすりつけられた。
娘は罰を受けることになった。
獄へ娘をひきたてるのは、あの美しい青年だった。
娘はなにも言わず、涙も流さなかった。
ただ、絶望にうちひしがれていたのだ。
獄に入る前に事件は起こった。
盗賊のようなものたちが現れ、娘と青年をさらったのだ。
盗賊の身のこなしは鮮やかで、姿は変えていても、それがどこかの王子とその騎士であることは、娘にもはっきりわかった。
そしてもうひとつ、不思議なことに、手引きの青年と盗賊団は旧知の仲のようなのだ。
追っ手を振り切り、河原で一息ついているとき、娘は盗賊が何者なのか、どうして青年と知り合いなのか尋ねた。
王子が言った。
「私たちは遠い国から来たのです。捕らえられた兄を助け出すために」
娘は驚いた。
すると、この青年が、王子の兄だろうか!
青年が、優しく娘に微笑みかけた。
「私の国に、一緒に行きませんか。」
そこでコマは途切れ、ページの下に
「月刊Lala X月号3XXページへつづく」
と書いてあった。
*****
義理の父と兄たちが、母や私や弟、妹たちを鬼のようにこきつかっていた。
地獄のような日々。
私たちはこっそりとアルバイトをし、少しずつお金を貯めた。
時は満ち、私たちは義父の留守を見計らって身支度を整え、出ていく準備をした。
早くしないと義父たちが帰ってきてしまう...
焦れば焦るほど指先がもつれ、用意に手間取る。
やっと用意が整い、私たちは車に乗って出発した。
タッチの差で帰宅した義父が、恐ろしい形相で追いかけてくるのが見えたが、徒で車に追い付けるはずもない。
彼の姿が見えなくなって、ホッと一息ついたところで、末の妹が車に乗っていないことに気づいた。
「ねえ、マナは?マナが乗ってない ...」
車内が沈黙に包まれた。
このままマナを見捨てて逃げるか...
しかし母には、あの恐ろしい義父のもとに自分の娘を置き去りにすることなど到底出来なかった。
思い切りUターン。
危険を承知で家に戻る。
マナは玄関の前にいた。
義父が出てくる前に ...
「早くのって」
「マナ、早く」
「マナ!」
みんな口々に叫んだが、マナは静かに首をふった。
「私はもう少し大人になるまでここにいる。」
そこへ玄関の開く音。
義父が出てくる。
母は急いでアクセルを踏み込み、そのままもうスピードで家から離れた。
誰も、一言も口をきかなかった。
*****
SMAPの番組で、辛いスナックの、辛い粉部分だけ食べさせるというゲームをやっていた。
小学生の男の子が出てきて、同じクラスのXXちゃんは、授業中にスナックを食べてうるさいので、仕返しをしてやりたい、と言った。
私はXXちゃんてきっといじめっ子なんだな、と思った。
XXちゃんが出てきてスナックの粉をむしゃむしゃ食べた。もとよりスナック好きな子だから、さっぱり辛そうじゃない。
私は、あの小学生、復讐のつもりだったんだろうけど、これじゃ全然意味ないな、と思った。
最初に出てきた小学生は泣きそうな顔。
こんなことしても、学校で風当たり強くなるだけなのに...
そう思うと、その小学生が不憫でならなかった。