2021年11月11日木曜日

浜辺でうつむく青年の音楽

フェス会場。

土手に設営されたステージでスタッフの女の子が泣いている。
「嫌です」
中野先生が返す。
「だめです。撤収」

嫌です、撤収、嫌です、撤収…押し問答は続く。
泣いて抵抗する女の子以外のスタッフは、みんなうつむいて手を動かしている。

どうして突然ステージをつぶす羽目になったのか。
誰かに尋ねなくてもなんとなく私にもあたりはついていて、目をそらしてその場を去った。

別のステージへオウガをみに。
膨らむ不安。

室内。講堂みたいなステージ
スタッフが、ボヘミアンラプソディーのときのクイーンみたいに真っ暗なステージに並んで深刻な顔でいろいろ説明している。説明の内容は、聞かなくても大体わかる。
ステージからスタッフが下りてきて、会場中の人々を指さしていく。
指をさされた人々が全体の20%くらい。その人々が退場させられ、残った客は前に詰めさせられた。

自分の見たいバンドは次の次だとスタッフに説明すると、入れ替え制ではないから通常通りそこに残ってみられると説明される。
スタッフに説明を受けている間に席をとられたのでPA横の横に座る。
PA卓には谷口さんがいて、馬場ちゃんの指示を受けている。
出てきたのは高木ブー。途中でブリージー・シュウォーツに変身したので度肝を抜かれた。最近よく聞いていた、プレスリーミーツベッドルームミュージックみたいな新譜。黄色っぽい背景の中、リーゼントでうつむくブリージーの顔ジャケが印象的な一枚。うつむく青年の一枚だけれど浜辺のリゾート感もある一枚。その新譜から何曲もやっている。まさかブリージーが高木ブーだったとは。隣にいた谷口さんに驚きを伝えたらめっちゃ笑われた。ブリージーに扮した高木ブーの後ろ姿はなんとなくポール・マッカートニーに似ていた。

ステージが終わってトイレに行った。
トイレ使用者の間で、整理券が使いまわされていたが、券がトランプだったりあいうえおだったり数字だったりバラバラで、どの順番かさっぱりわからない。
ラニさんもいて、あーだこーだ言っているうちにほかの人達がトイレに入っていったので慌てて列に並び直した。

フェスのタイムラインはおしていて、オウガ何時から?とラにさんにきいたら「今終わったところです」と言われて慌てた。いざトイレの順番になっても、オウガ終わっているかもと思うと焦って出ない。
しびれをきらして用をたさないままトイレを出た。
いそいで会場に向かう。
遠くから見えないルールが聴こえてきて絶望的な気持ちになった。

しかし、音が途切れて「もうやめやめ」と言う横柄なマイク音声が聴こえてきた。
演奏がとまる。
直ぐに騒がしい音楽に切り替わる。
なにごとかと会場に入ってみると、聞こえてきていたのはプロモーション映像の音で、バンドマンたちがスタジオでちょけている様子なのだった。

胸をなでおろし、ライブが始まるのを待っているところで目が覚めた。
目が覚めてからしばらくして、ブリージー・シュウォーツなんてミュージシャン、現実にはいないことに気付いた。耳にはつま弾かれるウクレレの音と、彼の、つぶやきのような歌声が残っているのに。

2021年10月13日水曜日

宙に浮いた階段

にゃんこスターのようなカップルが手作りのグッズを売り歩いている。
私が手に持っていたイラストの描かれた紙を渡すと、それも一緒に売ってくれる。
イラスト用紙は飛ぶように売れた。
カップルは移動しながらモノを売っていたので、私もついて行った。
各段差が数メートルありそうな階段を降りた。
一番下の段は建物の2階くらいの高さだった。
私は持っていたギターを先に下に落とした。そうするしか方法は無いし、ハードケースに入っているから大丈夫…、と自分に言い聞かせたが、楽器が下に落ちた時、ズーンと低めの弦の音が響いて心が痛んだ。ハードケースの上に暗い色の虹がかかっているのが見えた。ギターの悲鳴は暗い虹色なのだった。
ギターの次に、私も思い切ってジャンプした。
着地する時、左足をついて膝のバネで衝撃を吸収し、右足は横にグッと伸ばしてバランスをとった。とっさのことだったし無意識にとった姿勢だった。
高いところから飛び降りる時って、本当にマトリックスみたいなポーズとっちゃうもんなんだなあ…、と感心した。

基地のようなところに戻ると、カップルは私に分前をくれるといいだした。
私はうろたえた。
私が渡していたイラストは、自分で描いたものではなくて、ケイちゃんが描いたものだったからだ。カップルはカップルで、私に渡す分け前をどれくらいにするかでもめ始めた。
「私はこれでいいや」
そう言って、テーブルに置いてあったチョコレート一粒口にいれ、そそくさとその場を後にした。

先ほど降りた階段をもう一度上るのは辛い。というか無理。
改めて、下から見上げてみると、それは学校の校庭かなにかに設営された階段で、仕組みはわからないが一段一段が宙に浮いているように見えた。上り切ったところは公道に繋がっている。
どうしようかとあたりを見回すと、筧利夫が通りすがった。彼に楽な道を尋ねると、あるよと言ってつれてってくれる。
途中でワカちゃんといちさんに合流した。
二人もずっと一緒についてきてくれるのかと思ったが、ワカちゃんは途中で自転車にのって帰ってしまた。そうかここはワカちゃんの地元だったか。自転車で踏切を渡るワカちゃんの後ろ姿を眺めながらそんなことを思った。

小さな鳥居の前を通った。
まわりは草木が雑然と茂っており、石段は朽ちて崩れかけている。奥にあるのは祠だろうか。
いちさんは神社にお参りしたそうだったけど、筧利夫がどんどん先に進んでいくので、いちさんを急がせて彼の後を追った。

陸橋を渡ったところに老舗っぽい感じの酒屋があり、ようやく筧利夫の足が止まった。
いちさんは多少いけるくちなので、筧利夫と酒談義を始めた。「時の均衡」だか「時の平衡」だかという三部作ウィスキーがこの酒屋の名物らしい。時の天秤だったかな。…時の釣り鐘?
とにかくその、時のなんちゃらを私は眺めた。
四角い木枠にはまった3つの瓶は、どれもユニークな形をしていた。
一つは丸底フラスコみたい、一つは把手がついている、一つは船のような形。
それぞれの瓶に入った液体が、斜陽に透けてゆらゆらと光っていた。

2021年6月29日火曜日

沈む会社、復活の音楽

大雨が降っている。
みんな呆然と空を見上げている。
会社の屋上。

以前勤めていた会社の屋上。
これは、私が転職しなかった未来なのか。

経営がますます思わしくなく、私たちの会社はビルの屋上に引っ越したのだった。
ざんざん振りの大雨に、私たちのPCは打ちに打たれていた。
浸水する屋上。

もうだめだ。
いつでもどこにいても、PCさえあればがむしゃらに働いてなんとでもするが。
なにがなくてもPCさえあればなんとかなるが、もうだめだ。
沈みゆくPC。
PCが無ければ、データが無ければ、仕事ができない。
仕事が出来なければ、会社は終わりだ。本当の解散だ。
絶望。

喫煙所と化している非常階段に出ると、野外ステージが見えた。
1983が演奏していた。
アフリカン・グラフィティ。
絶望した私たちは言葉もなく1983の演奏に聞き入った。
久しぶりの1983。
帰ってきたんだ。涙があふれる。
会社は終わったけど、1983が帰ってきた。

ピアノを弾いているのは、あれはヨコヤマくん。
学生の頃ずっと片思いしていたヨコヤマくん。すてきな大人になってまあ。
谷ぴょんも出てきた。
松村さんもいる。

「おい、PCを確保できたぞ!」
誰かが叫んでいる。
マックハウスでクラウド作業ができるらしい。
嬉々として屋上に戻る社員たち。

私はふと、自分がマスクをしていないことに気付いてドキッとなった。
あたりを見回す。
みんなマスクをしている。まずい。
口元を袖で隠す。

屋上では再び1983が演奏を始めた。
会社再始動のお祝いだ。
ところがビルオーナーだか株主だかのドイツ人たちが出てきて演奏をやめろとまくしたてた。
キレそうになったが、そのドイツ人たちがエラそうに話すのをよく聞いてみたら、バンドをメジャーデビューさせたいとのことだった。
なんと!

あれよあれよとバンド、メジャーデビューの運びとなった。
デビューにあたってミュージシャンのイメージ映像をとることとなった。
曲を演奏しているところを撮影するのだが、カメラマンが「動きが映えない」と文句をいって何度も撮りなおしに。
なぜかメンバーに武田真治が加わっていてサックスを吹いている。
サックスはさておき、吹きながらの流し目が凄い。
圧巻の映えパフォーマンス。
これはちょっと1983メンバーにはできないのでは…と心配になってきたところに、松村さんが白馬にまたがる王子様姿で登場した。

******

梅雨らしい夢。
先日みちばたで知り合ったアルジェリア人の男の子といろいろ話したのでアフリカン・グラフィティが夢に出たか。
アルジェリアをウィキっていたらカスバって単語が出てきたっけ、と思い出し、起きてからアフリカン・グラフィティを聞いてみたけれど、そこにはカスバは出てこなかった。(カスバが出てくるのはジョンルウだった。)

2021年6月24日木曜日

海辺の一軒家と怪魚

引っ越しを検討している。

一つ目の候補はすぐ近くの古民家一軒家。
玄関を入ると中でロックフェスをやっている。なかなか良い感じではないか。
ここに決めようかな。
担当さんに明日からここに住む旨伝えて荷物を取りに元の家に戻ったら、もう一軒念のため見ないかと誰かに言われていざなわれた。

船で1時間行ったところの一軒家
どうやらこちらはアメリカらしい。
海辺の一軒家。
中に入るとロックフェスをやっている。
見晴らしもよく、最高すぎて少し怖くなる。

浜の右に「漁腹」とかかれた旗がたっている。
リョウバラ?ってなに?

「もしかして、時期によってはここ相当魚臭いんじゃないですか?」
不動産業者に質問しても、「そんなことない」との営業スマイル。

浜に降りてみた。
臭くはないか…。

と、突然海の中から頭のもげた怪魚が出てきた。クジラの5倍ぐらいのでかさ。
ずるずると腹ばいでこちらに向かってくる。
もの凄い速さだ。
慌てて逃げる。
あのもげた頭の空洞に吸い込まれたらおしまいな気がする。

怪魚が入り込めないような岩場に逃げ込むと、岩壁に「怪魚に襲われた場合」というイラストつきの案内板がたっていた。

「怪魚に襲われた場合は、岩場に隠れてじっとしていましょう」

この案内、ここにあっても駄目じゃね?

*****

なんとか怪魚をやり過ごし家に戻ると、ロックフェスのステージに日の焼けた髭のおっさんがたっている。
となりに従妹のユウちゃんがたっている。
なぜあんな所に?

「あれ、あのユウちゃんのとなりにいるの、スグルだよ」

スグル?ユウちゃんの弟の?
あんなおっさんが?
いやでも、冷静に考えればスグルもおっさんと言っていい年齢ではある。
そういわれてみれば、輪郭こそすっかりぼってりしているけれど、顔の中のパーツは確かにスグルっぽい気がしてくる。
スグルはフォークシンガーらしく、バラードを力強く歌いあげていた。

心は決まった。
もう荷物を取りに帰ることもせず、そのまま海辺の家に住み始めた。
日本の古民家の方には、誰かが連絡してくれているはずである。
数日たって、家賃の話を全然していなかったことの気づいた。
古民家のほうは確か月4万と言っていたが。
海辺の家、月700ドルとか言われたらどうしよう。やっぱりしらなぷりして古民家にもどろうか…。

*******

最近、不動産について考える機会があったのでそれが夢に出た。
スグルは、たぶん彼の妹家族が全員コロナに感染して大変らしいという話を昨日聞いたのでそれがでた。
なかでロックフェスやってることが住宅選びの決め手になっているっていうね。

2021年5月8日土曜日

プレゼントは同素体

誕生日に石炭をプレゼントしてくた。嬉しくて目が覚めた。
夢の中、なんであんなに石炭が嬉しかったんだろう。
潜在的にダイヤモンドをプレゼントしてほしいという願望があるということの現れであろうか?
それとも、地元が昔炭鉱町だったから、石炭に対して特別な思いがあるのか。
先日誕生日だった母と妹の誕生石がダイヤモンドだからか。
誰にもらったのだったかは思い出せない。

*****

二度寝したらまたウキウキした夢を見た。
坂を上っておしゃれな建物に入っていく。
代官山?
そこここに服や雑貨が配置されている。マルシェ?

いちさんがスコーンを選んでいる。

まだイベントが始まる前で、小さな特設ステージでバンドがリハーサルを行っている。
あのギターは鳥居さん?
イヴァン・リンスの曲だ。このギターフレーズ。
80年代のイージーリスニングみたいなムード。
午後の陽が、年季の入った床板の木目をあたためている。

*****

もっと長い夢をみていたはずで、ウキウキすることがいっぱい起きたはずなんだけど、今となっては思い出せない。
夢の中では「イヴァン・リンスの曲だ」と思ったわけだけど、イヴァン・リンスの曲で即座に思い起こせる曲なんて一曲もない。
イヴァン・リンスといえばMPB(ブラジリアン・ポピュラー・ミュージック)。
MPBとかかわりが深いミナス音楽発祥の地、「ミナスジェライス」はポルトガル語で「あらゆる鉱山」の意。ダイヤモンドも採れる。
近年、鉱滓ダムの決壊による環境汚染が深刻な問題として露見したことを、Aca Seca Trioのライブで知ったのだった。

2021年3月16日火曜日

米澤というところ

見覚えがある顔ばかりだけれど、どういう取り合わせなのか分らない老若男女。
前の職場の人
地元の友達
学生時代の知人
趣味の友達
最近仲良くなった人
顔は覚えているけれど誰だかわからない人
友達の親類
知人の連れ
友達の友達の顔見知り

居酒屋、座敷、貸し切り。

みんなでカラオケに行こうということになった。
こんな大勢で入れるところが、同じ建物の下の階にあるらしい。

移動しながら米澤のことを話す女性の話をきく。
この人は確か、妹の短大の同級生だったか。

「米澤っていうのは米どころなんですよ。○○山と○○山の合間から、○○川ってのが流れ込んでて…」

いや、後輩の友達だったか。

「海に流れ込むとこに広大な三角州があって、結構有名だと思うんですけど」

「あー、しってるしってる、そこの三角州」

顔は見たことあるけどどこで会ったか思い出せない男が口早に合いの手を入れる。
おまえ、そんな焦るなよ。

「あそこの三角州が、米澤って呼ばれてるんですよ」

*********

目が覚めたすぐの時には気づかなかったけど…。
三角州って、塩分多くて稲作には向かないのでは。

最近、夢に出てくる知人の殆ど誰も、誰だかわからない。
米澤なんて場所も知らない。
いろんな人や場所から、固有名が剥がれ落ちていっている気がする。

2021年3月9日火曜日

ホントのピアノ

 目を上げると、誰かが演奏している。

演奏が終わって、「次は松村拓海」とアナウンスしている。

家。

私の狭い家に、人がぎっしり詰まって演奏を聴いている。

私、ここで演奏会開く話、聞いてたっけ?


窓際にある私のピアノは使われていない。

隣り合わせた壁面に、壁側を向いた演者がおり、持ち込んだ楽器で演奏をしている。

ふと右手をそこにあった台に置くと、音がなった。ピアノだった。驚いて手を放す。


急に視点が演奏者の視点に変わる。

ピアノを弾いている。

ラ♭シ♭ミ♭レ♭ドシ♭ラ♭ー

と、鍵盤を叩いた。

私は「この音、ホントのピアノと音程あってるかな?」と思って、早く起きて確かめてみようとした


目を覚まして鍵盤のある窓際を見たら、そこにはガムランのような楽器がセットしてあってピアノが無い!慌てて周囲をみまわすと、脇の机の上にピアノがあった。弾いてみると、音程がめちゃくちゃ。あれ、私まだ夢の中だ。早く起きてホントのピアノをひいて確かめなくちゃ。でもその前にさっき見えたガムランみたいなやつの音を聴いてみたい。


******


そんな思い虚しく、目が覚めた。

起き上がってピアノの電源を入れ、弾いてみる。

指を置いた白鍵の冷たさ。

夢の中で聞こえていた音を再現する。

ソ♯ラシラソ♯ファ♯ミ

夢の中で見えた鍵盤と全然違ってた。

だめだこりゃ。


途中から夢を見ていることに気づいているのが面白いですね。


2021年1月26日火曜日

花咲き乱れる窓辺のシーンを盗んで逃げてしまった

自転車を押して歩いていた。
隣を歩く母の顔を見るとエレーナさんだった。
エレーナ母さんとは校門で別れた。

卒業がかかったテストのために講堂に入った。
元カレと目が合う。彼とは今は普通に友達だけど、彼の隣に今カノが座っているのが見えたし、すぐ隣に座るのはなんだかよくない気がして、斜め前の少し離れた席に座った。

私の隣にはタニくんが座っていた。
あれ、タニくんとしゃべるのめちゃくちゃ久しぶりな気がする。というか初めて話したのかも?
テストは、破天荒な男の妻が主人公の小説から出題されていた。

テストが終わって、タニくんとご飯を食べに出かけた。
オオニシさんとミイちゃんも一緒だ。
住宅街の古民家カフェ。
渋い木造の内装がおしゃれだと言って、バシャバシャ写真を撮った。

カフェの屋上に景色を見に行ったら、隣の建物から、顔を白塗りにした黒い制服の団体に怒号を浴びせられた。凄い圧力。

慌ててその場を離れたら、ミイちゃんとはぐれてしまった。
自転車をオオニシさんに預けて、ミイちゃんを探しに走り出した。

閑静な住宅街を走っていると、白い柵と花に囲まれたバルコニーがあり、男が二人、向かい合って座っていた。
奥に座ってまどの外側を向いているのは高橋一生だった。
窓の前を通り過ぎる瞬間、背を向けて手前側に座っていた男が身をよじらせたために顔が見えた。森山未來だった。
森山未來は身をよじり、肩を震わせ泣いていた。
痴話げんかだろうか。
見てはいけない私的なシーンを盗み見てしまった罪悪感を振り払うように、角を曲がった先の坂を駆け下りた。
逃げてしまった。
ミイちゃんもどこかに置きざりのまま。
罪の余韻であたりが薄暗くなった。

道路一本渡ったらもう大通りだった。トワイライトの大通り。
アジアっぽい土産屋やレストランが立ち並ぶ。
アオザイかチャイナドレスを着た売り子が、ぽつりぽつりと店前にたたずんでいた。

*****************

今思い返してみると、夢に出てきたタニくんの顔が、学生時代の同級生のタニくんというより、五反田で同僚だったタニさんに近かったような気がする。というか、同級生のタニくんと同僚のタニさんの顔の違いがわからない。ふたりの姿は私の中で同化してしまったらしい。

2021年1月11日月曜日

やりなおし

世界が滅亡して、大理石でできたこの建物にいた者たちだけが生き残った。

男と女と、その2人の子供たち。
それから建物の地下に住む娼婦たち。

取り残された人々は、協力して暮らした。
しばらくの間、大変だけれど平和な日々が続いた。

ある時、食べ物を探しに出かけた子供たちが帰ってこなかった。
夫婦が探しに出かけ、子供たちの死体を見つけた。

娼婦たちが争い始めた。
娼婦たちの頭が、大理石をとがらせた槍で妻を刺し殺した。
夫は怒り狂い、娼婦たちを一人残らず同じ槍で刺し殺し、最後に自分の胸を刺し貫いて息絶えた。

というところで一旦再生を停止し、私はエンディングをもっと違う形に変えたいと思った。もっとこんな風に…。

…娼婦たちの頭が、大理石をとがらせた槍で妻を刺し殺した。
夫は怒り狂い、娼婦たちを殺し始めた。
追い詰められた娼婦頭は、夫に言った。
「私を殺してしまったら、あなたは世界にたった一人になってしまうのよ」
夫は声を絞り出した。
「お前が妻を殺した時にもう、俺は世界でたった一人になってしまっていたんだ」
夫は娼婦頭を槍で刺し殺し…

*******

ここで目が覚めた。
今回みたいに、夢のシナリオが気に入らず、途中でやり直すみたいなことがしばしばある。

2021年1月9日土曜日

こちらが片言だと、ネイティブの人もなぜか片言っぽくなる現象

車を押してる女の人がいた。
少し郊外の、国道を一つ入ったところの住宅街。
引っ越しするというので手伝ってあげることになった。

後日、家族みんなで彼女の家にいった。
家には女の人と同い年ぐらいの男の人と、もう一人女の人がいて、3人でルームシェアしているらしかった。
男の人は、黒ぶち眼鏡に少し長めの短髪で、いかにも文化系男子っぽい。
部屋の中に音楽がかかっていて、千の風になって的な、クラシックっぽい歌謡曲には聞き覚えがある。
お父さんと、「確か、鯨水って曲じゃなかったっけ?」「鯨水って書いてクジラと読むんだっけ?」などと話した。

この間の女性が出てきた。
よく見ると、aqubiのtakamiさんだった。
驚き。なんでこの前気づかなかったんだろう。

言われてみれば、居間の横に張り出している仮設部屋は、ロフトベッドにカーテンをつけてできている様子で、Youtubeの配信で何度もみた薄暗闇に白いレースの舞うあの部屋に違いなかった。

「ここ、いつも撮影しているところ?」

とtakamiさんに聞くと、いつものごとくニコニコしつつ、こくりとうなずくのがかわいらしいのであった。
takamiさんは、シェアハウスが解散するタイミングで、例のスタジオから徒歩数分のマンスリーアパートに引っ越すらしかった。スタジオに近いなんて最高ですね、もしかして新作を録音するのですか?と聞きたかったけど、なんとなく切り出せなくて、ただ、最高の場所ですねというフレーズを繰り返しては無暗にニヤニヤしている私だった。

引っ越し後、向かいの建物で軽くお疲れ様会をやることにした。
私以外の家族は車の中で待っているというので、私とtakamiさんだけで行くことになった。
中に入ると先客がいて、その中の一人が話しかけてきた。
彼はロシア人だった。

「あなた、ロシアから来たんだったら!」

takamiさんはそう言ってロシア人と私を建物の奥へといざなった。
深緑の硬いカーペットが敷いてある裏廊下を抜けて、別棟の地下、リノリウム張りの教室のようなところに入ると、中にたくさんのロシア人がいた。

異国の地で暮らすロシア人たちが、集まって交流する場のようだった。
連れてこられたロシア人はあまり気乗りしないようだったけれど、そこにいる人たちと話し始めたので、彼のことは放っておいて、別の人と話すことにした。

コーカサス系か、アジア系っぽい感じのお兄さんが、自分のところで販売しているハチミツとジャムを試食させてくれた。
ジャムはなんだか忘れたけど、ハチミツがめちゃくちゃおいしく、どこの木を使っているのかたずねた。白樺だろうか?本国から取り寄せている?

ハチミツ販売のお兄さんは「Ока... Окаяма и Фукусима」と片言っぽく説明した。こちらが片言だと、ネイティブの人もなぜか片言っぽくなる現象。

岡山と福島。
福島はともかく、岡山で白樺がそだつだろうか?もしかしたらアカシアとか、なにか別の木なのかもしれないなとおもった。

辞して親の車へ。
さっといってさっと変えるつもりだったのにすっかり遅くなってしまい罪悪感がすごい。
車に近寄ると、丁度弟が車から降りて、私を呼びに来るところだった。

父が車から降りてきて、ダンボールで作った火山を噴火させようとして組み立て始めた。
今の父の心境が怒りなのか興奮なのか、火山が爆発してみないとわからないなと思った。

*********

目覚めて、暗闇と白レースのユーチューブ配信なんてみたこともないことに気付いた。いったいなんの断片だったったんだろう。
例のスタジオていうのも、夢の中では周知の事実だったのだけど、今思い返してみる限り、そんなスタジオにはまったく思い当たらないのであった。

2021年1月7日木曜日

夢の中でメモった夢とは別の夢

面白い夢見た!と思って手帳にメモった。

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目覚めた瞬間、手帳にメモがないだろうことに気付いた。
メモったところ自体が夢だった。
どんな面白い夢だったか思い出そうと思ったけど、どうしても思い出せなかった。
それからしばらくして、メモしたのとは全く別の他の夢をみていたことも思い出した。
以下に書くのは、思い出せた方の夢。

****

実家、もしくは大草原の小さな家に出てくるような牧畜農家。
家の前の広場にテントが張って合って、不法滞在の家族が住んでいる。
東欧の言葉を話す人々で、なんとなく意味が分かる。一瞬ロシア語で話しかけそうになったけど、(そしてそれはそれで通じたかもしれないけど、)なんだか失礼な気がして、英語で会話した。

家族のお母さん的存在らしき女性が、大きな寸胴鍋などを使って作った料理をふるまってくれた。一つのプレートの上に、ふかした雑穀と、ベーコンと、サラダが乗っていて、家族の中の一人が食べ方を見せてくれた。
左の掌の上に右手で雑穀をぎゅっぎゅっと押し広げ、その上にベーコンとサラダを押し付けるようにのせて食べる。

おいしい異国の料理を食べながら、時計が気になっていた。多分もう、どんなに急いでも間に合わない。お母さんが車で送ってくれれば間に合うだろうか。

そうこうするうちに、派手なエンジン音が聞こえて、一台の車が返ってきた。

黒のロングレザーコートを着たけばい女が下りてくる。化粧がば過ぎて、角度によってはトカゲみたいに見える。私のお母さんだ。お母さんに頼めば車で送ってくれるかもしれない。

家に入っていくお母さんを慌てて追いかけたけど、お母さんは目にもとまらぬ速さで家の奥に行って服を脱ぎ、お風呂に入ってしまった。

お風呂を覗くと、化粧が全部とれた、目の細いキューピーちゃんみたいな顔の女が湯船につかっていた。ああそうか、わたしのお母さんなんだからこういう顔なのか、と、妙に納得しつつ、車を出してもらうのは諦めて家を出た。

家の隣にある納屋の前に、布で覆われたがれきの山みたいなものがあって、布の間から自動小銃等の武器がちらりと見えた。

私はあわてて目をそらし、見なかったことにした。

*******

目覚めてから思い出す限り、夢の中でお母さんだと思った人物は見知らぬ顔だった。
化粧前も化粧後も。
化粧をした顔は、いつかのビョークにちょっと似ていたかもしれない。

2021年1月5日火曜日

乗り過ごして学生時代の友人のところへ

 電車でおしゃべりをしている、白いセーラー服の学生の間に割り込んで座った時、なぜこの子達は一席空けて座っているのだろうかと思ったことは覚えている。詰めてくれないかなと目で訴えたけど通じず、仕方なく二人の間に割り込んだ。

次に気づいた時は知らない駅にいた。

疲れ切っていたのか。

いつもの駅でないことにも気づかず電車を降りて歩くうちに、どこもかしこも物凄く大量に人が並んでいることに気づいて呆然とした。駅名プレートに書いてある漢字が読めない。簡体字?

ここどこ?

いずれにせよ、こんな密な電車に乗るのは嫌だ。歩いて別の駅に行くことにした。スマホの地図を開いてみると、現在地の近くに自衛隊前駅があるのが見えた。札幌じゃないか。どうやらよっぽどおかしな乗り入れ電車に乗ってしまっていたらしい。

思案しながら小道をウロウロしていたら、前方に私と同じくウロウロしている女性がいた。若く、ふくよかで、大柄な、ほんわかした感じの女性。

キョロキョロする彼女と目があった。微笑んで会釈。彼女も電車を乗り過ごしてしまったらしい。聞けば期はかぶっていないようだけれど、大学時代のサークルの後輩とのこと。クミが共通の知り合いだということがわかり、クミを頼ることにした。

クミの家。サークル時代の写真などを懐かしく眺める。同期で、団長だったまっちゃん(ダウンタウン)の話になる。

クミ曰く「この前会った時も、20代くらいのダイナマイトな女の子連れてたよ」とのこと。相変わらずの模様。学生の頃からとても人望があつかったけれども、どうにも苦手なんだよな、まっちゃん。

それから後輩のキムの話に。

「キムのカツラ見てよコレ!」

クミが言うと、一緒に来た女性もくすくす笑った。キムくん、いつの間にカツラに... 、思いながら写真を覗き込むと、脳天が真っ平らに見える髪型の男性が満面の笑みで写っていた。ただ、彼の顔は私の知っているキムくんではなかった。私の知らない、別のキムくんなのかな?というか、顔面の中心部はどちらかというとサッピーを思い起こさせる。

サッピー、元気だろうか。急に懐かしさに包まれる。

壁にかけられたカレンダーに目を留めると、稽古とか講義とか書いている。クミが芝居を続けていた事に面食らった。講義は、複数の大学で演劇のクラスを受け持っているとのことで、更に驚いた。

講師をしている、と、気恥ずかしそうに話すクミ。芝居だけでは食べていけないことを自嘲気味に話す仕草なのだろう八の字眉。急に講師としての貫禄を感じる。私達は、社会的にそんなポジションにつくような年月を重ねきたのね、と、感慨もひとしおだ。

ほんわか女性の方も芝居をやっているらしい。更にフルートもやっているというから驚いた。私はテンションが上がって、フルート見せてと叫ぶ。彼女が隣の部屋に通じる引き戸を開けた。めちゃくちゃ散らかった部屋。着る前なのか脱いだあとなのかわからない衣類がそこら中に散らばっている。湿気が溜まりそう。

彼女は奥からいくつもの大きなケースを出してきた。一つ開けてみると、巨大な茶色の木管が出てきたが、よく見るとリコーダーだったのでがっかりした。




******


目覚めてから一番不思議だったのはなぜダウンタウンのまっちゃんが学生時代の同期ってゆう設定だったのかということ。夢の中だとそういうことに全く違和感持たないのが不思議。