三重のマイちゃんからテレビ電話がかかってきた。
「夏休みヒマだから遊びにおいでよー」
そう言ったマイちゃんの後ろに広がる緑色繁りが眩しくて、すぐに行くことにした。
緑の中に佇むダーチャはとても穏やかで、ご両親はいらっしゃらなく、マイちゃんとユーリくんが二人だけでくつろいでいた。
私は別棟の屋根裏をあてがわれた。
昼下がりの木漏れ日のあたる夢のような小部屋。
夜にはユーリくんの芝居仲間も合流すると聞いていたのだが、やって来たのはアストロフの団員たちだった。
あの、五反田団と共演してたフランスの劇団、アストロフだ。
彼らは、ユーリくんを、ものぐさな勇者として主役に据えた公演の練習を、森のなかで、昼となく夜となく、繰返し続けていた。
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