父と車に乗っていたら見覚えのある風景。
確か、この斜面は、冬になって雪に覆われれば、スキーにもってこい。
『お父さん、ここスキー場だよね!前来たことあるよね!!』
とはしゃぐ自分はローティーン。
興奮するうちにも、地面はすっかりパウダースノウ。
すかさず板はいて滑り出す私。
雪は勢いよく、柔らかく、波のようにうねって、私は板のまま滝壺に飛び込んだ。
バシャンと落ちて、氷の川がメラメラ割れて、氷面からのぞいていたサメのヒレが動き出す。
スキーでうまくかわしたけど、すれ違いざまにはゾクッと来る。けれどサメと思ったのは実はくじらで、尾びれが優雅にしぶきをあげて、私は水の外に投げ出される。
打ち上げられたのはサトウ商店の前の交差点で、役場の方からは、黒装束に仮面をつけた宗教団体が、ボンボン太鼓を叩きながらこちらへ向かってくる。
正面からは白地に赤刺繍の子供をわんさか引き連れた若い男がこちらに向かってくる。
残りの角では山本モナとフジイフミヤがパーティーに行く口約束を社交辞令なのかどうかお互い探り合いながら取り付けている。
私はこんなところで一人水着なんか着て気後れしそうだったけど、胸をはって、なんでもない顔する。
はっと見ると、自分の両膝のうえに乳首がついていることに気づいてうろたえた。
とてもショックだったけどすぐにまいっかと思った。
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