具体的にはなにも覚えていない。
少し幸福で、続きが気になる感じだけを保ったまま目覚めた。
夜の窓から身をのり出して、聞き耳をたてている時のような、静かな高揚と安らぎ。
どんな夢だか一つも覚えていなくても、目覚めた時の印象が強烈で、一日中その感覚に支配されるということがある。
今日も、目覚めた時の感覚が、何度も額や肩を襲来した。
そのたび『あれ、この感覚なんだっけ...』と戸惑う。
一瞬別の場所に瞬間移動したかのような、その場、その時の流れにそぐわない感覚。
この日記をつけるようになって、夢を覚えているよう、意識的にしているから、今日は、このフラッシュバックが朝方の夢のせいだと気づいたのかも。
でももし、夢のことをすっかり忘れてしまっていたら、具体的な記憶を伴わない感覚だけの襲来に、現在の状態を素早くはめこんで、『あ、デジャブ』と錯覚したりするのかもしれない。