2020年2月2日日曜日

ジダさんとハリボテのクジラ

ジダさんが東京に遊びに来た。
私達は大喜びで、みんなに声を掛け合って、みんなを招集した。
けれどもあまりに急のことだったので、駆けつけられたのはNくんとマキシムだけけだった。
4人で近況を話し合った。ロシア関係の仕事をしているのは今ではモスクワ在住のマキシムだけだったので、ジダさんには申し訳ない気持ちがこみ上げたけれど、ジダさんは、みんなが元気に暮らしているだけでとても喜んでくれた。

時間がきて、ジダさんが帰るというのでエレベーターのところまで送っていった。書斎くらいの大きなエレベーターで、ジダさんがのってもぽつんとして見えるほどだった。扉が閉まりながら、下がっていくエレベーターの中で、ジダさんが手をふっていた。
私はなんだか、ジダさんに会えるのはこれが最後な気がして、悲しくなってしまい、こみ上げる涙をこらえながら力いっぱい手をふりかえした。

ジダさん!!!!!

…ジダさん!!!!!!




ジダさんが行ってしまってから、残った三人で河原の土手を歩いた。
雲の切れ間からハリボテのクジラが降りてきた。

ハリボテのクジラの中には不法投棄のゴミがみっしり詰まっていて、耐え難い悪臭を放っていた。

クジラの製造元は「マクファーリン製薬」となっていた。「マクファリン製薬」だったかもしれない。とにかく私達はこの製薬会社について調べなければいけないと思った。

というところで目が覚めた。
ぼんやりとした頭でスマホに手を伸ばし、マクファリン製薬を検索したけれど、そんな名称の会社は存在しないのだった。

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