2013年9月30日月曜日

水仙のような生き物

BBQ場のようなところに来ていた。
私は会費が4000円もするのに納得いかなくて、マツにくってかかっていた。
別にちゃんとしたご飯出るわけてもなくて、おやつがちょっとあるだけのピクニックなのに、どうしてこんなに会費が高いのか。せいぜいかかっても2000円じゃないのか?

そう、言いながら、心の中では、500円で充分ではないかと思っていた。
マツは黙って酒の一升瓶を持ち上げた。
とても高価な、日本酒のようだった。
そんな瓶が、一本ではなく、摩天楼のように乱立しているのだ。

私は何も言い返せなかった。

ふてくされて、その場から離れると、女友達とその子供が、
「先にビデオ観るの?」
と話していた。
彼女はママ友と今日の会に参加している。
彼女達の旦那同士がもともと知り合いだとか。
ビデオ観る観ないの話しは、その、旦那達の予定のことらしかった。
彼女達の旦那達は柔道仲間らしい。
「あのほら、xxxって漫画知ってるしょ、柔道の?」
そう言われたけれどxxxなんて聞いたこともない。知ってて当たり前みたいな態度にいらっとしつつ、
「あの、YAWARA!みたいな感じ?」
と尋ねると、笑われた。

「違うよ、女の子が頑張って柔道する話でさあ...」

その説明を聞く限り、YAWARA!と何が違うのかよくわからなかったけど、適当に相づちを打っておいた。
家族ぐるみでそのアニメにはまっているのだと言い、特に旦那同士が首ったけなんだとか。

なんだか違和感しか感じないながら、家族持ちには独特な世界観があるものなんだろうと、自分を納得させた。

ふと、脇をみると、水仙の花弁部分が飛んでいた。
白いロングスカートを逆さまにしたようなそれは、下のすぼまっているところが発光しているようだ。

水仙のような生き物は、マーガレットなんかの花から花へ飛び移りながら、先のすぼまったところで蜜を吸っている。

その生き物が花を移る度、白い花びら部分がヒラヒラと揺れて非常に美しい。
花が花の蜜を吸っているみたいだ。

世の中にはこんな美しい生き物がいるんだなあと関心していると、横から弟がやって来て、
「なにあれ、花びらの中に蜂が挟まってる」
と言った。
改めてよく見てみれば、弟の言う通りだった。
花弁の付け根に挟まった蜂がもがいているせいで、花びらが飛んでいるように見えるのだ。

一瞬見える世界と実際の世界の仕組みはこんな風に違っているのだなあ、と関心していたら、その花びらに挟まった蜂がこちらにやって来た。

間近で見れば、蜂は明らかにパニック状態だった。
パニック状態の蜂に刺される危険が迫ってきて私もパニックになった。

逃げようとするのだけど、身動きが取れない。気づけば私は白いシーツのようなものにくるまれてしまっているのだった。

シーツの上を、水仙のような生き物、もとい、花びらに挟まった蜂が迫ってくる。

パニックの私はシーツにくるまって、もがくけど、身動きとれず、なすすべもない。

2013年9月29日日曜日

走行職

モノレールの、レースの上を行く。
スピードは変えられない。
止まることもできない。
何があっても、スムースに進む。
飛行機から降りた人々を運ぶ仕事。

マニュアルで動けるようにして欲しい、何かあってからでは遅い…

そう、上司に進言したけど、必要なし、の一言で片付けられた。
感情の無い上司。

私と同僚は顔を見合せため息ついた。

私たちは移動する。
モノレールの上を、同じスピードで。
私たち、二人で移動する意味あるのかな、なんて言葉は、どちらも口にしない。
ため息と、目配せだけで、今日も。

長期休暇をとった。
懐かしい下宿先へ。

浜辺まで、父についてきてもらったような気がする。
まぶしい波打ち際。
自分の所持品を回りの人々にあげた。

下宿さきのおばさんが、琥珀の土産を期待していたのだと聞いて、残念に思った。琥珀はみんな、浜辺の人々にあげてしまったし。

2013年9月14日土曜日

距離感

体が弱っているときは大抵、ケンカ別れした弟の夢を見る。

それは海辺のATMで、私は自分の短すぎるスカートが、まわりにいろいろ言われてるんじゃないかって、自意識過剰になっちゃってて。
そんな自分が嫌で、何にも気にしてないふりしてた。

橋の下から弟は現れて、マナと一緒にいた私はなりふり構わずかけよった。
彼は思ったより普通に話してくれて、ここ最近の状況とか報告しあった。

「こっちにいたんだ、北海道で見かけたって、タッちゃんが言ってたって聞いたけど」
「うん、ちょっと仕事で帰っただけ。こっちにいるよ。会社は変わったけどね」

弟のしゃべり方は穏やかだ。
彼は大きな木車みたいなものを引っ張り歩いていて、きれいにペイントされたサーフボードが飾られていた。
「サーフィン続けてんだ」
「まあね」

そんな他愛もない会話ができるのが嬉しかった。
私は自分が今無職であることを話した。そうすれば、もっと弟が私に近づいてくれるきがしたのだ。
彼は
「早く仕事見つけな」
と言ってくれた。

私は思いきって、連絡先を教えてくれるよう頼んだ。
けれど弟は
「それは出来ない」
そうきっぱり言った。
とても傷ついた。
けれどもめげない、そう思った。

2013年9月11日水曜日

ひまわり団地

ひまわり団地の夢をみた。
そこは団地と呼ばれていたけど、丘の上に立派な一戸建てが連なる、私にとっては、地元のビバリーヒルズみたいなところだった。

あの頃は、あの丘に、沢山の子供と、大人と、少しの老人がいた。
私から見ると、少し裕福な家庭のようなイメージがあったし、なんだかハイソな雰囲気が漂っていた。

多分今では、老人と、空き家しかないのだろう。

夢の中では、ある友達が、ひまわり団地の家を借りることになった。
私は
「ここアサミちゃん住んでたんだよ!」と一人ではしゃいでいた。(今思い返すと、そこはアサミちゃんちではなく、ハスマさんちかなんかの場所だった)

家の中をすっかりリフォームしなければならないのだとかで、業者が出入りしていた。
私は、家の中のスカスカ具合に少し傷ついた。

2013年9月9日月曜日

ランチ

オガタさんと他の何人かでランチに出た。 オガタさんはグルメなので、どこに連れて行ってくれるか 楽しみだ。 まるで地中海沿いのようなオシャレな町並み。

私たちは、ピンクだか黄色だかの土壁のレストランに入っ た。 馴染みの店のクッチーナだ。 裏口から入って、日の注ぐ広い店内を通り抜けると、表玄 関のところで店主とすれ違った。 ショートカットのために店内を横切っただけだったので、 なんだか気まずい。 店主の顔を盗み見ると、それは、エンジェルフェイクのご 主人だった。 すっかり白髪になって、かなり年老いている。 最後に彼の店に赴いてから、これほどに時間がたってし まったのかと思うと胸がズキンと傷んだ。

店を出ると、オガタさんがいつまでもうろうろしているの で、尋ねてみると、彼女の目当てはクッチーナなのだと判 明した。 なんだそれならそうと言ってくれればいいのに。 そうすれば店主とすれ違った時、あんな気まずい思いしな くて良かっただろうに…

それに、グルメのオガタさんが選んだ店が、まさかのクッ チーナだということにも、俄然がっかりした。 通り抜けるだけのつもりだったのに「席を作ってくださ い」と店主にお願いしなければならなくて、またまた気ま ずい思いをした。 席に着くと、誰が一番の常連かというくだらない理由で張 り合いになった。 連れの中に役所公司がいて、自分の常連振りを見せつける ために、ガラス張りの一面に、自分の映像が映る演出をし かけた。 山高帽をかぶって灰色の机に座った沢山の役所公司が草原 の中を机ごと滑って行くという映像だった。 わけわからなかったけど、まあ、気持ちのよい映像では あった。 「ちょっと言えばだれでもやってもらえるよ」 目の前の役所公司は、そう言って得意げに謙遜していて、 なんだか嫌な感じだった。

ランチから戻ると、会社の時計は2:20を指していた。 少し60分の制限時間を少しはオーバーしている気がした けど、これ程とは思わなかった。 「1時に出たよね」 と、オガタさんと言い聞かせあった。

夕方、まだ就業時間ではなかったけれど、外に出た。 日の落ち切らないオシャレな町並みに心が躍る。 クッチーナでは立食パーティーが始まっていた。 トモコさんが赤ワインのグラスを片手に笑っている。 私はパーティーに呼ばれていないのにその場にいることを 後ろめたく思いながら、飲み物をもらおうと、店員を探し た。 けれども結局後ろめたさに耐えきれず、仕事に戻ることに した。

2013年9月1日日曜日

取り立て

ある男と賭けをして負けた。
金を賭けたのだけれど、その場では払わずに終わった。

数日後元バレー選手の大林素子が金を取り立てにきた。
彼女は全くの無表情で、急ぐでもなく、声をあらげるでもなく、私が金を出すのを待っている様子だった。

彼女は私がいくら支払うべきなのかは知らされていなかった。
私も覚えていなかった。

「確か3万位だったと思うんですけど…」
などと取り繕いながら、賭けをしたときのメールやらラインやらをスマホで調べようとするのだけれど、画面がフリーズしたり突然強制終了したりでさっぱり情報を引き出せない。

「あの、私、一度見たことあるんですよ、大林さん、五反田の駅で」

なんてどうでもいいことを口走るものの、彼女は無反応。

あー、賭けの金額がわからない。
イライラしてきた。