一人で残業していると、電話が鳴った。
明け方4時。
こんな時間になんだろう。
出てみると、なんと、リョウくんだった。
リョウくんは地元のいっこ先輩で、神川県警になったことは人伝に聞いていた。
目とはなの先に住んでるとは知っていても、直接の音信は全く無く、本人には高校卒業以来、一度も会っていない。
そんな彼が何用か?
「今、五反田辺りにいるんだよね?」
向こうも私の消息を人伝に聞いているのだろう。小さな町だ。
「そうだよ。どうしたの?」
うちの地元は基本、先輩に敬語を使わない。
「なんか、その辺りで、天ぷら食えるとこあるかな?」
「え、天ぷら?」
「うん。」
「...。」
予想だにしなかった質問に私は黙ってしまった。
五反田の飲食店はほぼ網羅しているはずなのに、一つも店が思い付かない。
天ぷら、天ぷら、天ぷら...
てゆうか、リョウくん、警察官なんだし、これって一種の取り調べなんだろうか?
なんでもない質問に見せかけて、私から何かを聞き出そうとしてるんだろうか?
五反田で天ぷらに関係する事件でもあったんだろうか?
そこへ私の上司が出勤してきた。
すかさず、
「すみません、ここらへんで天ぷらの店なんてありましたっけ?」
と訪ねると、上司も口のなかで
「天ぷら、天ぷら...」
と呟いていた。
...といったところで目が覚めた。
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