2012年6月29日金曜日

並んだ振り袖ばあさん

母校(高校)の学祭で、後輩らしき女の子にお金貸す。
文具屋。学祭の出し物にしては品揃えが豊富だ。

ダッちゃんと待ち合わせしてることを思い出し、西へ向かう。

が、寄り道。
なんかのビル。
用がすんでビルを出ると、鞄置き忘れてることに気づいた。
慌てて戻ろうと振り替えると、階段のしたで色とりどりの振り袖を着たおばあさんたちが一列に並んで頭を下げていた。
報道陣ぽい感じの人達がバシャバシャ写真を撮っている。

謝罪会見?

一瞬そう思ったが、すぐに、おばあさんたちは頭を下げているのではなくて、腰が曲がっているだけなのだと気づいた。

古典楽器伝承賞だかなんだかの授与式かなんか。
上の階では若い世代の演奏が行われていた。古楽器といっても、西洋のそれではなく、和楽器だ。
美しく若い、洋装の女性達が、雛壇に並んで雅楽かなにかを演奏していた。

それはそうと、鞄が見つからない。
顔馴染みの受け付けの男に鞄を置き忘れたと話すと、
「あ、さっき持ってらしたあれですよね」
と、話がはやい。
そこへ通りすがった人が、それらしき鞄を持っていたので、

「あ、これだ」

と、つかみかかると、革製のインナー鞄が出てきた。私の鞄にはそんなものついてない。
鞄違いだ。
鞄の持ち主は迷惑そうに去っていった。

受け付けの男も、飽きてしまったのか、
「無いですね。」

の一言で、探してみようももしない。

辺りを見回しても、人々は素知らぬふりで、自分のやるべきことに注念している。

大声で叫んでやろうかとしゅんじゅんしていると、受け付けデスクの椅子の下に私の鞄が敷かれているのをみつけた。

鞄は汚れていたけど無事だった。

2012年6月20日水曜日

模様替え請け負いサービス

模様替えをノンちゃんに依頼した。
双子の妹の方のノンちゃん。
一軒家の、私のテリトリー部分だけ模様替えしてもらう。
部屋はとても広く、他の住人とのテリトリーとの間にしきりがない。
絨毯の色だけで、テリトリーを識別するシステム。
私のテリトリーはエンジ色の絨毯。
多分ペルシャ絨毯。

ノンちゃんはチームで仕事する。
リーダーのノンちゃん。
補佐のイケメンのT(なんかニックネームで呼ばれてたけど忘れたので仮名)。
経理のぽっちゃりした男の人。
目附役みたいな存在の、松蔭女子大教授。

様子を見に行ってみると、部屋が全体にアンティークな色調になっていた。
ランプとか、チッペンデール的な家具とか。
「コンセプト変えてみた」
とノンちゃんが言った。
自分の空間が全然違うものになっていくダイナミズムにわくわくした。

職場に戻ってからは、手持ちのデータをcsvに吐き出して、それを管太郎に取り込む方法が無いかと、マニュアル類を必死で探した。
これが出来るようになれば、今まで手作業でやっていた馬鹿馬鹿しい作業を一気に削減出来る。

なんとか目星がついたところでその日は退社した。

さて、家はどうなってるだろう?
帰ってみると、なんだかずいぶん殺風景な感じになっていた。
「コンセプト変えたんだ」
ノンちゃんが言った。
なんかアンティークの時に比べると物足りない感じがしたが、かっこいいレイアウトというのはそんなものなのかもしれない。
空間の広がりを意識したデザインなんだそうだ。

棚の籠に無造作にDVDがいれてある。これもおしゃれな演出らしい。
再生してみると、変な、自然とかの映像に男性合唱がかさなる。

「なにこれ...」

私が顔をしかめると、みんなが笑った。Tだけふてくされている。
「これ、池田高校校歌のPV。Tの母校。」
ノンちゃんが笑いながら説明してくれた。

「で、お会計のほうは...?」
ぽっちゃりに訪ねると見積書を出してきた。

17万ちょっと。
思ったより安かったので安心した。

ぽっちゃりにカードで支払うと、領収書と共に手紙を渡された。
ぽっちゃりの字で、依頼してくれてありがとうとか、いろいろ書いてあった。かわいい字だった。

僕たち大抵Tのアパートにいるからいつでも遊びに来てください。

と、あり、Tの住所が書いてあった。
池袋だった。

ぽっちゃりの電話番号も書いてあった。
080から始まるやつだった。

2012年6月18日月曜日

新しい土地

開拓者とその妻と一人娘。
下働きの男3人。
新しく与えられた土地はとんだ荒れ地だった。
文句を言う妻。
主を励ましながら荒れ地を耕す下働き達。

荒れ地はそのまま浜辺に続いていて、その奥は湖のようだ。
湖の浅瀬では、土着の民が無表情で、頭から直立で、泥沼に刺さっていた。

何をしているのか、全く意味不明だったが、新しい土地では先人に倣うが賢明と思い、私も頭から泥沼に飛び込んだ。
しかし泥沼は案外固く、額の辺りまでしか泥に滑りこまない。
少し手で掘ったりして四苦八苦していると、

「きたぞーっ」

という叫び声が聞こえた。
目をあげてみると、水平線が明るく光っていた。

炎だ。
白っぽい炎が水面をものすごいスピードで走ってくる。

土着の民は、この、水面を這う炎をやり過ごす為に泥沼に刺さっていたのだ。

私は泥刺さるのはあきらめて、岸辺へと逃げた。
迫りくる炎から必死で逃げながら、頭の中は妙に冷静で、

この湖には、油が混じってるのかもしれない...

などと考えていた。

開拓者たちのところに戻ってみると、新居に火が燃え移って大騒ぎになっていた。
屋敷内に、爆発性の装置が安直されており、それに引火しようものなら何もかも一貫の終わりだ。

しかし、下働きの男3人の尽力と機転で、なんとか装置を安全なところに運びだし、火事も消すことが出来た。

九死に一生を得た開拓者 は3人に感謝し、屋敷ないでお祝いをしようとしたが、娘は、下働きのものを家にいれるのなんて絶対に嫌だと言いはった。

その様子を見ていた私はムカついたので、娘にビンタを食らわしてやった。

私は幽霊みたいな感じで存在しているらしく、誰にも姿が見えなかったので、娘はわけもわからず頬に痛みが走って、キツネにつままれたような顔をしていた。

2012年6月13日水曜日

天ぷら事件

一人で残業していると、電話が鳴った。
明け方4時。
こんな時間になんだろう。
出てみると、なんと、リョウくんだった。

リョウくんは地元のいっこ先輩で、神川県警になったことは人伝に聞いていた。
目とはなの先に住んでるとは知っていても、直接の音信は全く無く、本人には高校卒業以来、一度も会っていない。
そんな彼が何用か?

「今、五反田辺りにいるんだよね?」

向こうも私の消息を人伝に聞いているのだろう。小さな町だ。

「そうだよ。どうしたの?」

うちの地元は基本、先輩に敬語を使わない。

「なんか、その辺りで、天ぷら食えるとこあるかな?」
「え、天ぷら?」
「うん。」
「...。」

予想だにしなかった質問に私は黙ってしまった。
五反田の飲食店はほぼ網羅しているはずなのに、一つも店が思い付かない。
天ぷら、天ぷら、天ぷら...

てゆうか、リョウくん、警察官なんだし、これって一種の取り調べなんだろうか?
なんでもない質問に見せかけて、私から何かを聞き出そうとしてるんだろうか?
五反田で天ぷらに関係する事件でもあったんだろうか?

そこへ私の上司が出勤してきた。
すかさず、
「すみません、ここらへんで天ぷらの店なんてありましたっけ?」

と訪ねると、上司も口のなかで

「天ぷら、天ぷら...」

と呟いていた。

...といったところで目が覚めた。

2012年6月12日火曜日

口小っさ

なんかなんでもない人とキスしようとしてすごい必死だった。
障害物競争みたいな感じでいろいろな障害を乗り越え、遂にキスしてみたら、
「この人口ちっちゃ...!」
と思った。

2012年6月10日日曜日

日向のセンチメンタル

女の子は男の子を見つけると勢いよくかけていった。
気づいた男の子がふりかえる。
二人並んで歩きだす。
ミツアミとカリアゲ。
日向の眩しさ。
仲良さそうな、後ろ姿。
二人ともモデルやってるせいか、とても絵になる。

何度この風景を見てきただろう。
歩き始めたばかりのころ、
おむつのとれたころ、
園児帽に園児服の二人、
ランドセルの二人...
目に焼き付いている二人の後ろ姿が脳裏を駆け巡る。
髪が伸び脛が伸びても、変わらない睦まじさで歩き続ける二人の背中。
彼らは今14才。
あとどれくらい、こんな二人の後ろ姿を見ることが出来るのだろうと思うと、胸が苦しくなった。

*****

その他のフラグメント
食堂のパート
焼き肉モンゴル
音痴
カムバック

2012年6月9日土曜日

ある国の王子が困っていた。
即位するには百獣の王のバックアップを
得なければならないが、当のライオンがいっこうに現れないのだ。
私はライオンだったので王子を
助けてあげたかったけど、型番の、下四桁目の数字が一文字だけ違っていたので、本物の百獣の王ではなく、彼の力にはなれないはずだった。
しかし彼は一計を案じ、民衆のまえで、自分をくわえてほしいと言った。そんなことしてなんになるのかさっぱりわからなかったけど、私は言うとおりに彼をくわえた。
すると王子が煙幕をはり、私たちは煙に紛れた。
煙が晴れてみると、私たちはいつの間にか高い塔のてっぺんにいた。階段もないのに、どうやってそこに登ったのか、私には皆目検討がつかなかったけれど、それは民衆も同じようだった。
民衆は目の前で起こった奇蹟に歓喜し、誰もが私を百獣の王と疑わなかった。
私の口から出た王子は、塔のてっぺんに刺さっていた剣を引き抜き、ついに即位した。引き抜かれた剣に日の光が宿り、とても眩しかった。
家に帰ると、母が、米がないことに悩んでいた。
「ついにこの‘ひえ’を食べるしかないのか...」 と母が嘆いた。 私は、‘ひえ’が食べられればそれで充分じゃん、と思ったけど、黙っていた。 目が覚めて思ったけど、ひえで満足できる私は、やっぱり本当の百獣の王ではなかったんだろうな。

2012年6月2日土曜日

想像妊娠

身に覚えがないのに妊娠した。
相手はタレ目のラビらしい。
こんな人知り合いにいたかな...
これからこの人と子供を育てていくのか。

別の男の人と、ベビー服を買いに行く。彼は気が合ういい友達。
彼がこの子の父親ならよかったのに...
彼、私を連れ去ってくれないかしら。
ねえ、私を連れて逃げてよ。
じっと見つめても、彼は優しく微笑みかえすだけ。私がそんなことを考えてるなんて、思いもしないんだろうな。

ラビがむかえにきた。
タイムリミットだ。