2012年2月21日火曜日

ビバヒル的な

田舎の学校の演劇部がまるごとスカウトされて、映画撮影のために都会の学校に入学する話が持ち上がる。
部員たちはみんなでこっそり旅をして、ゲネがてら、都会の学校を見に行く。
ゲネではみんな、ブルースリーみたいな黄色のツナギを着ていた。
みんなだふだぶだった。

スカウトマンが一番期待をかけているのは大柄な美女。演劇部の副部長。彼女の輝きは尋常じゃない。
演劇部自体、彼女の求心力で成り立っているといっても過言ではない。
彼女は学校では単にみんなのリーダー的ポジションにいるのが好きな、よくいるタイプの女の子だったが、スカウトマンの目に映る自分の中に、新しい自分を見いだしはじめている。
プロの俳優たちから刺激を受け、向けられたことのない視線を受け、自分の内側から、溢れでてくるものを、虎のように見つめ、しなやかに受け止めている。

それから目を引くのは、ジョニー・ウィアーみたいなキレイな顔した小柄な男の子。
彼は友達に釣られてなんとなく入部しただけで、それほど芝居に興味がない。仲間内でふざけあっていられればなんでもいい。
同期の、しっかりものでマネージャー的存在の女の子が、自分に想いを寄せているなど夢にも思わない。

そんな彼に目をつけたのはスター俳優の男。この俳優はオープンゲイで、芝居を理由に男の子にキスをする。

初めて男とキスをした男の子は今までに感じたことのない衝撃と胸のざわつきをもてあまして、いつもより余計にふざけた振る舞いをする。

そんな彼の様子に気付いたマネージャー的女の子は気が気じゃない。

彼女は自分のポジションをわきまえている。舞台の上では脇役に徹し、舞台を降りれば世話役に徹する。彼女は舞台を愛しており、表でも裏でもなんでもいいから、舞台作りに関わりたいと思っている。
そんな情熱に水を指す、恋心と嫉妬心のために、彼女は葛藤する。

相手が男でなければこんなに辛くないのだろうか。例えば、あの美しい副部長が相手なら、お似合いだなって、笑えただろうか。

そんな自問自答にきをとられて、芝居が疎かになる自分をうしろめたく思っている。

2012年2月19日日曜日

海辺の館

隣の小屋が満ち潮に沈み始めたのを誰かに知らせようと、渚を走る、みつあみの娘。

*****
お館に5人兄弟で訪れた。
二人の姉と、弟と、末の妹。
館の主は妙な術を使い、弟と妹を、部屋の奥に連れ去った。
残された3姉妹は、彼らを奪還すべく、本棚を漁った。
水道が壊れて水が溢れ、警報が鳴っている。
本棚には仕掛け絵本がぎっしりつまっており、私はその中から鏡のついた絵本を選んだ。姉の一人は、自分の手鏡を携えた。

急いで屋敷の奥深くへと向かった。
玉座の間のようなところで主は待っていた。
弟と妹は蝋人形にされている。
階段を降りてくる主を見て、彼が盲目であることを悟った。
これでは鏡が役にたたない。

2012年2月17日金曜日

茂須田

仕事帰りの飲み屋でダイちゃんとばったり遭遇。旧交を温めた後、帰り道を一緒に歩いていたらマツから電話がかかってきて、今から出てくるという。

夜の神社で待ち合わせ。
暗闇の赤。
鳥の鳴き声。
くさいきれ。

待てど暮らせどマツは来ず、結局随分遅くなって帰宅した。
ので眠るのも遅くなった。

朝起きると案の定寝坊していて、もうすぐ出掛けなきゃいけない時間立ったけど、寝ぼけてだらだら「題名のない音楽会」を見た。
チータや、同じ世代であろう往年のスター女性アイドル達が、高いところに吊るされた、電飾で輝く鳥籠の中で、サンバ的なものを歌い踊っていた。

歌い終わった彼女達が舞台に降りてくるのを待って、司会者がミフネトシロウを紹介した。
彼らは全員同じ映画でブレイクしたらしく、今回の番組は、その同窓会という体らしい。
近況を尋ねられた女優の一人が、
「やっばり与那国島に行く機械が多いわよね?」
他の女優たちに同意を求めた。
そこが例の映画のロケ地だったらしい。
「ああ、講演とかで?」
司会者が聞き返すと、いつの間にか端に立っていた初代沙悟浄が
「いやエキストラでね」
と答えた。
どうやら、現在例の映画のリバイバル版が製作されているらしく、オリジナル版の出演者たちはエキストラとしてそのリバイバル版にカメオ出演するのを楽しんでいるようだ。

なんだか私も与那国島に行ってみたいな、なんて思っていると、ケイタイが鳴った。
出てみると妹が深刻な声音で
「今テレビつけてる?」
と問うてくる。
何事かと思い、チャンネルを換えようとするが、リモコンが見当たらない。そうするうちにも妹は話続ける。
「モスダんとこの田中さん覚えてる?××のことあってからよく行ったじゃん」
モスダってなんだたっけ?
茂須田?茂洲田?
田中さんてミッちゃんちのことかな...
判然としないまま「それで」と促すと、妹はさも深刻そうに言った。
「そこの田中さんの息子、自分を全部失ったんだって…」

で、目が覚めた。


…モスダって何だよ?

2012年2月13日月曜日

干潟を渡る

ミーちゃんちに泊まった。
無断外泊でうしろめたかったけど、朝ミーちゃんが電話してくれた。
学校の帰りが夜12時過ぎてたから仕方なかったよね、という話になった。

そのままミーちゃんと学校に向かった。
木々の間を縫って坂道を下りきったところには大きな漁船が乗り上げており、その先にはどこまでも続きそうな干潟が見えていた。
手前を見るとぬかるんでドロドロだったけど、遠く地平は澄んで青空を映していた。
私たちはこの干潟を渡っていかなければならないのだけど、上手く地面の堅いところを探って歩かないと、ぬかるみにはまって沈んでしまう。

私は立ち止まって目の前の漁船を見上げた。
錆びて、蔦の這う、時の止まった船。
ミーちゃんは私に船の脇を歩くよう促して、軽やかに跳び上がり、へさきに腰かけた。
それから、艫に向かって船の縁を滑り降りて行った。
すると船の縁が擦れて、抜けるような美しい音が響いた。
グラスの縁を擦って音を出す楽器のような感じだった。胡弓の音色にも似ている。
そんな美しい音を当たり前のように作り出せるミーちゃんに、心の底で嫉妬した。

妙なる調べが空に伸びていくと、野生馬の群れが現れて、地平へと駆けていった。
颯爽と疾駆する馬達。
中にはぬかるみにからだの半分を沈めて、前足でもがいている馬も。

『みんなこの音から逃げようとするんだよ』
そういいながらミーちゃんは船から飛び降りた。
『走ってった馬の跡を行けば、ぬかるみに足をとられることはないでしょ』

音楽にうっとりしていた私は、更に感激して、干潟を渡る、素足のミーちゃんに続いた。

学校に着くと、スグルがミーちゃんに、あのメロディーのあの部分は、自分が作曲したのだ、と、主張していた。

2012年2月8日水曜日

太陽が落ちた

日蝕だ

と誰かが言うので
外に出てみたら太陽が
茹でた玉子の黄身のように
青かった

辺りは薄暗く
空は斑で
あらゆるものに影が
無い

腹を抱えて笑った
太陽が
落ちた

しんと静まりかえったあと
水平線から炎が吹き上がった

お母さんが家から出ようとしない
ハルおばちゃんと必死で説得
もうキレそう

もう逃げられない人たちが
茫然と
専門家の話すのを見つめている

アルゼンチンの若者たち
若く
泥だらけで
髭面で
茫然と

contamination
contamination
専門家の話が理解できない

****

これは夢
ただの夢

People in the Box
ニムロッド
頭から離れない

Inception て、きっとこうゆうことだ。

2012年2月5日日曜日

コンセプト集合住宅

引っ越した。
コンセプト集合住宅に。
児童館跡を改築して人がすめるようにしたらしい。
児童館といっても、総合大学のように広大な敷地で、悠に、駅一個分エリアを覆いつくしている。

まだ荷物も届かない畳部屋で寝ていると、誰かが扉を叩いた。
寝ぼけ眼で出ると、寝癖でジャージのおじさんが、小包が届いていると知らせてくれた。
テツ&トモのどっちだかか、温水洋一に似た感じのおじさんだった。
宇宙をめぐる話とかいうタイトルの本が届いているとのことだった。

部屋を出ると、階段で地下に向かった。上った時よりずいぶん降りづらいなと思ったら、一般住居者のとは別の、スタッフ用梯子螺旋階段 だということに気付いた。

地下のはずの下の階は、地上に面していた。土地が斜めになっているらしい。
カフェや食堂が立ち並び、子供たちや学生たちが思い思いの食事をとっている。
小豆色ジャージを着た若者達が、食堂のスタッフとしてたち働いている。若い内から運営に関わらせるというのも、この集合住宅のコンセプトの一つらしい。

そのまま敷地内を散策する。レクリエーションルームや中ホールに大ホール、土産物屋まで揃っている。
ラーメン屋や居酒屋の並ぶ横丁だってある。
駅近、職場まで30分以内。片道150円。
部屋は一階だけど日の当たる部屋
一生住みたいかも知れない。
学習室兼ゲーム室で机の抽斗を出し入れしながらそんなことを思った。
や、むしろ
ここのスタッフに転職したい。
こんなに子供たちに囲まれて穏やかに暮らすのも悪くない。
ケイちゃんとビッケさんも連れてこよう。

フロントのホールには大きなスクリーンがあって、創設者がこの集合住宅を始動させたときのドキュメントが流されていた。

創設者は、見た目も考え方もムツゴロウさんとい忌野清志郎を足して二で割った感じの人だった。
ドキュメントが終わり、現在の創設者のインタビュー映像が始まった。
年老いた創設者は谷川俊太郎に似ていた。

夢見ているときはなんて楽園みたいなところだろうと思ったけど、目覚めてみると、あれはどうも少年自然の家だったとしか思えない。
出なければカルト教壇の居住施設っぽい気もする。

2012年2月4日土曜日

コマツマツリ

実家にオオタさんが遊びに来た。
丁度、中学のクラスメイトだったコマツ君も遊びに来ていて、鉢合わせになったが、驚いたことに二人は知り合いだった。
二人は何やら親しげに話している。しかもタメ口で。
『昔同級生だったんだよ。』
とオオタさんが教えてくれて更に驚いた。だってオオタさんは私より10コ以上年上だ。
『俺が年上だって知らなかった?』
コマツくんが言った。
『1、2コ年上だとは思ってたけど...

私が言った。
しかも二人は互いのことをオオタと呼びあっていた。
私もコマツくんがオオタと呼ばれることには違和感がなかったが、二人が互いを呼び捨てにしているのには、違和感が拭えない。

そのうちコマツくんが帰ると、オオタさんも、そろそろおいとまする、と言い出した。
『え、もう?』
と口では言ったが、会話が全然弾んでいなかったので、彼が帰りたいのもムリないなあと思った。

この前、奥さんも連れて遊びに来た時はあんなに盛り上がったのに。

仕方がないのでそこまで送っていこうと、外に出た。
交差点で、色素の薄い、星の王子様っぽい頭の女の人が、外国人のおじさんにイヤホンをもらって、周りに羨まがられていた。

次の交差点で、同じイヤホンをした人を見つけた。ドイツにいるはずのコマツさんだ。
私が
『それ、貰ったんですか?』
と尋ねると、ん?、と、仕草だけで聞き返してきた。
イヤホンをしているので声が聞こえなかったようだ。
私が大きめの声で質問を繰り返すと、彼女がまた聞き返してくる。
更に声のボリュームを上げる。
やっぱり聞き返してくる。
彼女は決してイヤホンを外そうとしなかった。

更に行くと、工場裏の空き地みたいなところでアカペラのストリートパフォーマンスが始まるところだった。
始まってみると、予想と違って、なんてゆうか、合唱だった。
人々が集まってきて、一緒に歌い出すので、最後には物凄い大合唱になった。私は知らない歌だったので加われなかったけど。
曲が終わって、人々が散り始めた。私たちも行こうとしたら、誰かが
『もう一曲やる?』
と言った。
サチみたいだったけど、遠くてよくわからない。
私が何か言う前に、オオタさんが
『結構です』
って即答した。
ああゆう往生際の悪いのは好きじゃないみたいなことをオオタさんがきっぱり言って、私にはとても意外だった。