誰かが
「ねえ、高校のときさあ、こんなちっちゃい子とすごいでっかい男と付き合ってるカップルいたじゃん、同級生で。あれ、あの男の子、名前何て言ったっけ?」
と聞いてきた。
いたいた、確かに。デコボコカップル。
「なんかよくさあ、彼女の頭の上にこうやって顎のせてて...」
誰かは、腰を曲げて、小さな女の子上に覆い被さる真似をする。
「わあ、それその格好よく見たわ。あの男の子、なんて名前だっけ...モリ...マエ...?」
どうしても思い出せない。
そうだ、卒業アルバム。
あれをみればわかる!
早速アルバムを探す。
しかしアルバムはどこにもない。
おかあさんに聞いてみると、
「一円パチンコに寄贈した」
と言う。
ラーメン屋のマンガみたいに、待ってる人たちが見るんだって。
「あそこのパチンコは役場の人たちが多く行くんだから、卒業アルバムとかあると喜ぶのさ。」
なにそれ。
「役場なんかうちからアルバムあげなくたって、同じものいっぱいあるよ!」
私が逆上して、母とケンカになった。
*****
離れ小島の野外動物園
ガラスチューブの中を歩く。
下を流れていた川はひからびて、動物は一匹もいない。
*****
会社で知らない番号からの電話履歴があったので、かけ直してみた。
お客様かもしれないし、こちらからかけた手前、「誰ですか?」と率直に聞くわけにもいかず、もたもたしていると、電話の相手が社内まで入ってきてしまった。
怖い話によくあるパターンの、電話相手が段々近づいてくるあの感じ。
直接話しているうちに、なぜか彼が見積りを持ってくることになってしまう。
なにも注文してないし、何かしてもらった覚えもないのになんの見積りを持ってくるつもりだろう...
途方に暮れて、社長の机にあった年賀状の束をペラペラめくっていると、ロシア人の名前に目が止まった。
字面から察するに、社長の個人的な友だちらしい。
このロシア人の連絡先を見ると、なんと、例の電話番号とぴったり同じではないか。
つまり、電話は取引先としてでなく、社長の友だちからの個人的なものだったにちがいない。
私は事情を説明して、見積り提出をキャンセルしてもらうことにした。
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