2012年12月5日水曜日

スクールライフ

後輩が賞を獲った。
心の底では嫉妬してたけど、「私とは形式が違うから」と自分に言い聞かせることで、何とか平気なフリをして、笑顔で彼女を祝福した。

クラスルームではいつも遅刻してくる男子が、慌てもせずに席につくところだった。
彼はくるっと振り向いて、後ろの席の女子にタブレット型の白い薬を渡した。
彼は毎日彼女のために、その白い薬を一錠持ってくるのだった。
華奢な彼女はいつも笑って(その顔は私からは見えないのだけど、多分笑って)
「ありがとう。優しいね。」
って男子に言う。
男子は毎日のようにはにかんで、黒板の方へと向き直る。

私は毎日のこのやりとりが、嫌じゃない。

登校時は、近所の男子と二人で坂道を下る。
坂道の途中に熊がいた。
熊は、痩せこけて、もう殆どオオカミのようだった。
男子はビビってはいたけど、熊に遭遇すること自体には慣れていて、騒ぎ立てたりせず、ゆっくりとあとずさった。
私は彼の、腰の引けた頼りなげな背中にしがみついて、けれどもじりじりとその背中を押した。

押し合いながらも結局私たちはゆっくりと前進し、熊の前を通り過ぎると、男子が「走れ」とささやいたのを合図に猛烈にダッシュした。
熊が気付いて追いかけてきたので、私たちは坂の脇に跳び、土手を転がり落ちていった。

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