パブに行ったら、赤いトレーナーを着て髪をキノコカットにした赤縁眼鏡のDJみそしるとMCごはんがいて、能年玲奈ちゃんの新譜(アナログレコード)を私にくれた。
あまりにも唐突過ぎて、もらう理由もなかったので、受け取れないって言おうとしたけど、ホントは死ぬほど欲しかったので、言葉が出てこない。
お金払うよって言おうとしたけど、くれるって言ってるのにそんなこと申し出るの失礼な気がしてやっぱり一言も口から出てこなかった。
DJは
「いーのいーの、これ貰ったやつだから」
といって私にレコードを押しつけてくる。
みると、能年ちゃんのサインが。サインというか落書き的な。
「いーのいーの、また貰うから」
そう言いながらDJは、とことこと離れて行った。
柱の影に能年ちゃんがいるのかもしれなかったけど、気後れして目をそちらに向けることさえできない。
とにもかくにも己の幸運に浮かれつつダンスフロアへ。
フロアで始まったのは、予想に反してロカビリー。
代々木公園の民たちがどこからともなく現れて踊り狂っている。
私も仲間に入ろうとしたけど、右手にシャーペンを持っていることに気がついた。
ダンスフロアのシャーペンなんて、凶器以外のなんでもない。
カウンターに置いてこようと、フロアを横切ろうとするけれど、踊る人々に妨げられて、なかなか前に進めない。
なんとかカウンターまでたどり着くと暗がりにビッケさんが座っていて、優しいまなざしでこちらをみていた。
ビッケさんはどうして踊らないんだろう?って思ったけど、はやくフロアに戻りたかったので、何も考えないことにした。
何も考えないことにした途端目が覚めた。