2013年11月3日日曜日

スピード

自治会のイベントかなにかで、フランス旅行に行く途中のことだった。
みんなはバスに乗っていたけど、お母さんと私たち兄弟はワゴンに乗っていた。
ワゴンでバスについていっていた。

レインボーブリッジかミュンヘン大橋みたいな、比較的大きな橋に差し掛かったとき、ふと、運転中のお母さんが気絶していることに気づいた。

後ろの席に座っていた私は身を乗り出してハンドルをとり、必死でお母さんに呼び掛けた。

お母さんは、大声で呼んでも、ビンタしても全然起きなかった。片手でハンドルを握りながら、必死でお母さんを殴り続けた。

フロントガラスには光が反射して、前がなにも見えない。ブレーキを踏めないのでものすごいスピードで走り続けるしかない。

私はとにかく車を停まらせることを考えて、ガードレールに車体を擦り付ける決心をした。
窓の外が見えないので、そこに手頃なガードレールがあるかどうかはわからない。
けれどもガードレールに車をぶつける以外には車を停める方法は思い付かない。私はガードレールがあることにかけて思い切りハンドルをきった。

嫌な音を立てて車はとまった。みんな無事。
すぐに警察が来た。
車から降りてしばらくすると、お母さんの意識も戻った。

その日は、警察署に泊まった。
少年の家みたいな寝室があって、そこでみんなで寝た。
不謹慎だけど楽しかった。
不謹慎だから楽しかったのかもしれない。

車の暴走で、元のルートからどれくらい離れているのか警察に聞いた。
思ったよりは、遠くまで来ていない。
これなら明日みんなのバスに追い付けるかもしれないと思った。

翌朝、先に行ってしまったはずのバスが、私たちを迎えに来てくれた。

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