2013年7月25日木曜日

トマトの木

その家は、上から見ると、横書きのカギカッコ閉じたときの形。
半中庭のような空間に、私はトマトを植えることにした。
庭を、縦一直線に横切る大木の並木の根元で読書にふける涼しげな自分。
そんなイメージがムクムクと膨らみ、これほどの名案はないという気さえしてくる。

大きめのトマトを三つに切り分ける。
庭を覆う敷物を剥ぐと、下にはTシャツの死骸がびっしりと詰まっている。
あ、こんなTシャツもあったな、なんて懐かしさに胸を痛めながら、更に下層の土に触る。

申し訳程度に窪みを作り、切り分けたトマトをちょこんと座らせる。
申し訳程度にぱらぱらと土をかけるけど、埋めてしまうことはしない。
トマトは水分がたっぷりだから。
トマトの水分が、すっかり土に吸収される頃には、種が地中に程良く沈むはず。

今にも種の外郭を割る新芽の音が聴こえてくる気がする。
今にもその茎をのばすスルスルいう音が聴こえてくる気がする。
今にも硬い幹がメキメキと枝を張る音が聴こえてくる気がする。
今にも枝いっぱいに茂った葉が、サラサラと木漏れ日を揺らす音が聴こえてくる気がする。

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というような、非常に清々しい夢を見たのですが。
トマトは木にならないことに気付いたのは、すっかり目が覚めてからなのでした。

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