2022年3月27日日曜日

おばあちゃんの二人展

おばあちゃんが関西の方で二人展をやった時の冊子が出てきた。
5年ほど前のことらしい。母曰く。
その頃なら私はオーストラリアに住んでいたはずだから、そのせいで、おばあちゃんの二人展のこと、知らなかったのかもしれない。
いや、5年前ならもう東京に戻ってきていたはず。東京からなら観に行けたはずなのに、どうして誰も教えてくれなかったのだろう。北海道の家族たちはみんな知っていたのに、東京のわたしだけ知らされていなかったなんて。

二人展は、えらく権威のある版画家の男との共同開催で、当時非常に話題になったのだそうだ。
おじいちゃんに先立たれたおばあちゃんはその頃、その版画家と同棲していて、彼の下で版画を習ったのだそうだ。
版画の権威の肖像がでかでかと載った冊子の隅に小さく書かれたおばあちゃんの名前。
おばあちゃんは女だから、こうやって権威のある版画家の威を借りないと、自分の作品を見てもらったり評価してもらえなかったのかもなあと、ぼんやりと思った。

おばあちゃんは、なんというか、いわゆる支配欲の強い人で、自分の意のままになる人を好んでそばにおいておくようなところがあった。芸者だったおばあちゃんをなんとか後妻に迎えた生前のおじいちゃんも、はたから見た感じ、おばあちゃんの言いなりという感じだった。私は、全く知りもしないこの立派な髭の版画家と、おばあちゃんの生活について少しだけ想像してすぐにやめた。そんなこと今更想像してもなんにもならない。

末の弟がgoogleマップを開いて、二人展の行われた画廊を見せてくれた。それから、その画廊のすぐ近くを指して言った。

「こんなところにカリニングラードがある」
カリニングラード。ドイツ領土内にあるロシアの飛び地。
「カリニングラード、日本にもあったんだ。ドイツのよりは随分小さいみたいだけど」

******

ここで目が覚めた。
20年前に亡くなった父方のおばあちゃん、初めて夢に出てきたかもしれん。
自分より成功している人をねたむ時、あの人はお金持ちだからとか、あの人は男だからとか、あの人は美人だからとか、その人の努力や才能とは違う部分に評価の理由を求めたくなる心理があって、そうゆうところがいびつにジェンダー問題と絡まって夢にでたのかな。
カリニングラードは、昨日のニュースが夢に出た。
目が覚めるにつれ、だんだんと、自分がオーストラリアになんか住んだことないことを思い出した。

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