2015年10月12日月曜日

単純さ

母が人を刺して殺した。
私はそれを黙って見ていた。
殺されたおじさんは、確かに殺されても仕方ない人だった。
けれども、一部始終を見ていた私には、母の行動が正当防衛と言えるものではなかったことも、よく理解していた。

がっかりだった。
全ての理由が単純すぎた。
そんなことで殺すなんて、なんてチープな筋書きだろうと思った。
そこにはなんの複雑な対話も葛藤もなかった。
そんな母の単純さにがっかりしていた。

父にこの事を報告するのは、さすがに気が引けた。
殺されたおじさんは父の知り合いでもあった。
話を聞いた父の反応は、母が訪問販売に騙されて高額の印鑑を買わされたのを聞かされた時と似ているきがした。

「仕方がなかったと思うよ」

と私は言った。

「お母さんは悪くなかった」

私に庇われた母は、安心したようだった。とたんに笑顔になった母にイラついた。

仕方なかったとしても、母が悪くなかったとしても、そこは罪の意識に苦しんで欲しかった。

悪びれていない母にイラついた。
「お母さんは悪くないけど、私はお母さんとは違う」

私は穏やかに言ったつもりだったけれど、母の顔はこわばった。

テント。
青空。
サーカス。

2015年10月6日火曜日

目的地の変更

南米に行く予定だったのだけど、飛行機が飛ばなくて、空港で足止めを食らった。

ちゃんと理由を添えて申請したら、代替チケットで別の場所に行けるかも知れないと、ユキコさんが言うので、英語と日本語で手紙を書くことになった。

まずは日本語。
南米で色々な動物をみて回る予定だったが、今回の事態になり、トルコ行きを希望する。トルコに住む。オツベルの白象を見に行くことを目的とする。

というような内容にしたいのだけどしたいのだけど、全然うまくうまくいかない。

なんとか書き終えて、今度は英語。上司がPCで文書作成し始めたのをみて、私も手書きじゃなくてPC使えばよかった...と思った。

2015年10月5日月曜日

灰色の太陽

しずるのどっちかが「今ももち中」と言っていて、意味わからなかったけどわかってるふりした。

眠くて。
それはもう眠くて眠くて。
50分迄には家を出ないと会社に間に合わないのに、時計の針は59分。
なんとか起き上がったけれど、外があまりにも暗すぎる。
なんなら星が瞬いている。
いくらなんでも暗すぎると思ったら、太陽がまだ灰色だった。
あらら、これじゃ、眠いの当たり前。
太陽は、灰色の星屑が滴って、明るくなる気配はない。
灰色の太陽と星と街の灯りがなんとも言えず美しかったので写真を撮った。

TVをつけると、トゥクトゥクがドッキリ番組に出ていて、JOYが仕掛人。
あれこれこの前行ったライブだ...
と思った瞬間、画面の手前を通りすぎる集団の中に自分ぽい姿があった気がしてヒヤッとなった。

太陽が少しずつ明るくなり始めた。
温かくなった。