トモちゃんは布団の中で寝ている。さすが、遠征慣れしているからどこでも眠れるんだなあと感心しつつ、無造作に積み上げられたもの達を見て回る。古い白黒の写真、造花、レコードの束。
オウガのライブDVDがあったので手あたり次第にみてみる。
次はレコード。
ほこりを払って盤に針を落とすと戦前のジャズがSP盤みたいな音質で物置の中を漂う。
最後の巻だけ読んでいなかった本が母屋にあったので借りてきて読んでいたら、起きてきたともちゃんが読みたいというので、最初の巻から全巻持ってきて読みふける。作品が何だったのかは忘れた。
読み終わって、またあたりを物色し始めると、机の下の奥の暗がりに何か落ちている。
手を伸ばしてとってみると、将棋の駒だった。王将。
木製のちゃんとした駒だ。
いつの間にか現れた出戸君が「こっちに」と言って、将棋入れの四角い箱を出してきた。
箱の中には駒がそろっていて、取り出してみると「休歩兵」と文字を書き足されていたり、ミステリーサークルみたいな模様が描かれていたりしてほほえましい。茶色のペンで書きこんであるようで、消せなかったのだろう。鉛筆だったら消せたのかな、当時親に見つかって怒られたかな、「休」とつけて独自ルールで遊んだりしたのかななど、いろいろ想像をめぐらしてします。「写真撮っていいですか」といいながらスマホをパシャパシャしてから、思いついて、「これ、ちゃんと撮影してNFTにして売ってください」と頼むと、出戸君は「あー、グッズやってくれる人に言っといてください」とめっちゃ興味なさそうに答えた。
出戸君に「4月にまたすぐライブ見れるのとてもありがたいです。めっちゃ楽しみにしてます!」と言いおいて、物置を出た。
母屋の方に顔を出して、出戸君のご家族にご挨拶する。
出戸君のお姉さんらしき人と話しているとき、急に自分の意識が体から出て、客観視点に切り替わった。
風と共に去りぬの女優さんみたいな美しいお姉さんに、一生懸命ジョークを言って笑かそうとしている女の滑稽な姿。
しかし、こちらのひいた気持ちと裏腹に、女はうまくおじいさんやお姉さんや、そのほかの家族たちと打ち解けていて、私は「あいつ人を笑わせるのうまいな」とか思いつつ、なんだか少し嫉妬心を感じている...。
というところで目が覚めた。
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こういう、途中で視点が一人称から三人称に切り替わる夢ってよく見るけれど、映画とかがなかった中世の人々とかもこういう夢の見方したのだろうか?
出戸君の夢は、最近発表になった4月のGEZANとのツーマンが楽しみすぎて、しかしチケットの抽選に当たるか不安で見たんだろうな。夢の中でもいいからこの喜びを伝えたかったんだな私。将棋は多分今奥泉光の小説読んでるから出てきたのかな。藤井くんの王将戦が微妙に気になっているせいもありそう。あ、あと、昨日ハンガーラックの下を乾拭きしていたら奥から500円玉出てきたのが嬉しすぎたのも出たか。
先日電気毛布が壊れて、今ともちゃんがうちに来たら凍えてしまう...って懸念していたことも出たな。電気毛布買う際にメーカーに「修理と言っても有料の交換になるので、新品を買った方がはやいです」と言われて、古いものを修理しながら使う的な世界観に思いを馳せていたのが、古道具の住処たる物置として具現化したのかなあ。