朝、トシがさっそうと大浴場から帰ってきたので私も慌てて大浴場に向かおうとした。着替えを持っていく段になって、初めて今日の顧客について尋ねたら警察だという。
持ってきている服は春用のミニスカートと黒いカットソー、モノクロストライプのVネックのニットに黒いジーンズ。どれをどう組み合わせても警察ではカジュアルすぎる気がする。こんなことなら無理してもスーツを持ってくるべきだった。
後悔しても仕方がないので、適当に衣類をつかんで大浴場に向かう。しかし全然大浴場がみつからない。一旦部屋に戻ってタカトシに大浴場がどこなのか尋ねたが、「そんなん(部屋を)出たらわかるじゃん」などとブツブツいうばかりではかばかしい答えが返ってこない。「部屋出て右?左?」と聞いても全然はっきりとしない。仕方なくもう一度部屋を出て、一か八か右に向かうと、大浴場の方向を示す看板が出てきた。
よかった…。そう思って看板の指示通りに進むが、途中で表示が案内が途切れてしまい、なかなか大浴場にたどり着けない。頭の隅ではスーツが無くて大丈夫だろうかとずっと気になっている。