2022年11月10日木曜日

キャッチボールをする彼

実家に似た風景に思えるけれども、そう思うのは、父や弟がそばにいたからなだけなのかもしれない。
芝生、グラウンドやコート。
巨大なリゾートか別荘地か、そんなところなのか。音楽フェスをみにきたのだったか。

メインのエリアを離れて人気のない道路を渡ろうとしたら、セキさんがいた。
セキさんがキャッチボールをしている。
思わず駆け寄って抱きつきそうになったが、すんでのところでコロナのことを思い出してとまった。
セキさん、少しやせた。ワイルドにひげが生えている。
ひとまず、弱っているようではない。
慎重に一定の方向を避けながら、近況についてぽつりぽつりと言葉を交わす。
話しているうちに涙出てきて、セキさんの頬も濡れていて、私は思わず彼の肩に手を置く。
それから一言二言交わして、言葉が尽きて、結局わたしはセキさんを抱きしめてしまう。

裏口からカフェバーみたいなところに入る。
セキさん、出演するらしい。ひきがたり。
またしても目頭が熱くなる。
私は客として表口から店に入りなおそうとしたが、関係者らしい外国人の女の人に話しかけられた。彼女は私をだれかと勘違いしているらしく、片言の日本語でねぎらいの言葉をかけてきて、そこに座れと席を指す。セキが目で知り合い?と尋ねてきて、私は眉をしかめて首を振る。
とりあえず言われた通り席に座り、それからそっと裏口から出て、表口を探しているところで目が覚めた。

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夢か。
夢だったか。
ごまかしのきかない朝のひかりを浴びて深く息をはいた。
そうか、昨日は誕生日だった。
おめでとうを伝えることはできない。