真っ白な棚の下、足元から4つ壁ぐるりと蛍光灯の照明で照らされていて、白いすりガラスでできた床もぼんやりと発光している。白衣のスタッフはみな下から照らされているせいか、陰鬱な表情に見えたが、淡々と作業を進めていた。
白い引き出しからプラスチックのファイルケースに挟まる形で大量の手羽先の骨が出てきた。目に入った瞬間、やったのはあいつだ、あいつが放置していたんだと思い当たった。しかしもうラボをやめてしまっているあいつを悪者にするのもばかばかしいので、誰にも何も申し開きすることもなく、黙って後始末をした。
見ていただれも、何も言わなかったし、私を責める者もなかった。蛍光灯に照らされた暗いシルエットだけだった手羽先の骨は、持ち上げると、私の手の中で色と奥行きと質感を取り戻すのだった。
不思議と手はあまり汚れなかった。
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